光触媒の秘密
光を当てるだけ?
いま、光をあてるだけで抗菌、脱臭、防汚効果が得られるという「光触媒」が脚光を浴びています。夢のクリーンシステムとして空気清浄機や照明器具などに実用化されつつあるこれらの製品は、清潔好きな主婦たちからも注目されています。 さて、耳慣れない「光触媒」とはなんでしょう。その秘密を探ってみました。
光触媒とは?
物質の化学反応を速めること…それが触媒です。この光触媒では、酸化チタンを触媒にしてみたところ、水を分解すると同時に酸化作用の強い活性酸素を生み出すことが分かりました。
そしてこの活性酸素こそが臭いや汚れの原因となるさまざまな有機物を分解するというものなのです。
触媒として登場した耳慣れない物質・酸化チタンとは、塗料や化粧品そして食品添加物などの日常生活どこにでも見られる製品に含まれる安全な物質だということも補足しておきましょう。
光触媒の作用は?
この光触媒には細菌の死骸や細菌が作り出す毒素を分解する『抗菌効果』、汚れがつきにくく、ついた汚れが自然に消える『セルフクリーニング効果』、水を全くはじかない超親水性質を生かした『くもり止め効果』、空気をきれいにする『脱臭・消臭効果』、水をきれいにする『浄水効果』などのさまざまな効果がみられています。
実用される光触媒
発見されて25年が経った、この光触媒。最初に実用化されたのは抗菌タイルです。 室内蛍光灯の光を一時間あてるだけで99.9%の菌を殺菌するという抗菌効果は病院の手術室にも導入され、「壁に付着している細菌をゼロに」「空中に浮遊している菌を減少させる」という実績が得られました。
他にも自分で発する光で汚れを自然に落とす酸化チタンを使用した照明用カバーも開発され、高速道路のトンネル照明に一部採用されています。
さらに酸化チタンフィルターを使った空気清浄器やエアコン、脱臭冷蔵庫、酸化チタンをコーティングした道路舗装用ブロック、酸化チタンを背に織り込んだ看護衣、カーテン、カーペットなどさまざまな製品開発が進んでおり、今後は日用品などにも応用製品が増えることでしょう。